カトヒロ 夏の静観
朝
夏はつとめて
最近、朝は早くに目が醒める。
血圧が高いからか起きてすぐに動き回れる。
PCのスイッチをONにしてメールのチェックをするが
返事を書いたりするのにこれまた時間がかかってしまう。
その間、机横においてあるCDデッキからお気に入りの音楽が流れてくる。
近頃の私のお気に入りはハワイで買ってきたHAPAという男性2人組みのアーティストのCDだ。
現代ハワイアンは私たちが思っている以上にリズミカルで新鮮で美しい。
ロック調ありカントリー調・ジャズ調もありとさまざまな音で彩られるが
なによりも彼らのその声そのものがいい。
心のかゆ〜いところをそっと撫でるように掻いてくれる、そんな気がする。

おいしい煎茶を淹れてみる。
無類のコーヒー・お茶好きの私はその日の天候によって呑むものを替える。
雨の日などは煎茶が一番。
当然、流れてくるBGMにも気を遣う。
例えば、雨の日の午前中などはバッハがよく似合うと思う。
以前ならG・グールドを繰り返し聴いたものだが、最近はフルートに凝っている。
特に有田正弘氏の木管フルートで演奏されるバッハのソナタは
どこか森の中から聞こえて来そうな深遠な感があるのだ。
窓を少し開いて雨の香りを胸いっぱいに吸い込んで
ほどよい温度で淹れた煎茶を啜る。
都会の喧騒が嘘のように山深く霧に包み込まれるような気になる。
あ〜至福のひととき。

イタリア語の勉強をする。
語学習得法の極意はともかく毎日!
と大学のフランス語教師に教えられたがまったくその通りである。
彼女はフランス人で日本に来てからも毎日日本語単語を覚えているそうな。
私は朝起きて時間を細切れに使いながら単語・文法を勉強している。
そして何よりも大切なのは音読である。
音楽家である私が最も頼る器官はやはり耳。
何度も何度もイタリア人になったつもりで口に出して構文を読む。
後は手を使う。
何度も何度も紙に構文を書きなぐるのだ。
反復練習。これが一番の上達法なのだろう。
そう信じながら毎日続けているが、最近歳をとったせいか物覚えが悪い。
でも、その分回数を増やせばいいことと自分に言い聞かせている。
辞書もこまめに開くことにしている。
斉藤孝氏の『座右のゲーテ』はいま熱中して読んでいる良書である。
正直、高校生のときに『若きウエルティルの悩み』を読んで「あ〜しんどかった!」としか
感想のなかった私であるが、この本のおかげで今この歳になってもう一度ゲーテに対峙してみようという気になった。

